翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
「なにその男前発言!」
華世ちゃんの目が期待に輝く。
「俺毎朝A組に行ってるんだ」
「なに?何しに?」
私も華世ちゃんも若干前のめりになってる。
「そりゃあ、朝の挨拶に」
「なんだそれー。つまんなーい!」
「挨拶かよー!」
まさに期待外れ。
「宮辺にフラれて泣いてるとこ見ちゃったからこれでも責任感じてんだよ。教室では気まずいだろうし、ちゃんと登校してるか気になって」
「それってただの出欠確認じゃん」
華世ちゃんはそう言ったけど、なっちゃんの話を聞いた私は他に絶対なにかあるはずだと続きを期待した。
「それもあるけど、今はうざいくらいのキャラがいた方が宮辺のこと少しでも考えなくてすむし、クラスメートの目もあのふたりに向かないでしょ」
いつもぽわんとしているくせに、岡崎君の発言はやっぱりいつもあなどれない!
「気持ちだって……たとえ届かなくても言葉にすると願い事が叶うって言うのを信じてみたくて」
「岡崎のメンタルすごいね、鋼みたい。もしかしてA組でなんか宣言してんの?みんなが見てる前で?」
私達は再び前のめりになった。
「うん。今日の放課後までに奥寺さんは俺の彼女になってると思うよ、って」