翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?

「会ったよ、会いに行ったの。会いたかったからね」


何か言いたげな、挑発的なセリフ。


「あとあたし達のお金でパパとママにちょっとリッチなホテルを予約したから。結婚記念日のお祝いとして」


「それでこんだけか。結婚記念日が近いって知らなかったし」


「いや、全然先。前祝い」


特に反応しなかったのが気に入らなかったのか、姉貴の眉間にぐっと深いシワが寄った。


「とにかく両親は今夜不在だってことを強調してんの!漫画の世界ではストーリーがドラマチックに展開するときだいたいは大人は不在って決まってるわけ、何が言いたいかわかる?」


「はぁ」


漫画の世界のことはよくわかんね。


「私だってこないだのリベンジで美緒ちゃんとお泊まり女子会したかったんだよ!」


「すればいいじゃん」


そう言ったら、姉貴は一瞬無言になった。

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