翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?

「さっきから叫んでばっかじゃん」

「直は無しでしょ!直は!」

「裾からちょっと手が触れただけじゃん?
それに服の上からとかって、そろそろ卒業でしょ。でもTシャツって結構無防備な。あれ、ん?……あれ?」


もっかい、確認の、むぎゅ。


「翔ちゃん!遊ばないで。お、お願い!」

「俺、前にもこうした?」

「それは……」


知ってると思った。温度も、感触も。


「したんだ?」

「した、かなぁ?」


美緒は嘘をつくのもはぐらかすのも、ほんとにへたくそ。
< 328 / 347 >

この作品をシェア

pagetop