翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?

「あとちょっとだけ……」

「……まぁ、いいけど」


翔ちゃんは少し戸惑ってみせたけど、また広い胸の中で甘えさせてくれた。


翔ちゃんにとってはいつものわがまま出た〜って感じなんだろうけど、私にとっては違う。


翔ちゃんに甘えるのは、これがもう最後。
自分の鼓動と翔ちゃんの鼓動が重なるこの感じ、ちゃんと覚えておこう。


静かに目を閉じた。
私の髪に触れてる翔ちゃんの頬が、少し熱い。なんだか、とてもせつないよ。
< 83 / 347 >

この作品をシェア

pagetop