『おばあちゃんの贈り物』-許嫁(いいなずけ)とか意味わかんない-
「なに? あたしも聞きたい」
 おばあちゃんがなにか言い残してくれたなら、あたしにだって聞く権利あるでしょ。
「ま、春加(はるか)は、まーちっとオトナになったら、な」
 なんだとぉぉぉ?
「だれが呼びつけしていいって、言ったのよ」
 おまけにガキ扱い。
「じゃあ、なんて呼んだったらえーんや」
 うっ。
「べ…つに。いいよ。呼んでくれなくて」
「あほか。いっしょに住んどって、呼ばわらんとおれるわけないやろ」
 おれるわい。
 ゾンビがまたぷぷっと吹きだした。
 しかも今度はあたしの顔を見て、だ。
 どんだけ失礼なの。
「じゃ、春加ちゃん…か?」
「ぎゃっ。やめてよ、ちゃんなんて!」
 これ以上ひとのことをガキ扱いしたら、ぶっとばすわよ。
「ほしたら……」ゾンビがにんまり笑う。
「はるか、やろ?」
 がーん。
 勝…てない。
 クチじゃだれにも負けない自信があったのに。
 なぁーぜぇーだぁぁああ。
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