『おばあちゃんの贈り物』-許嫁(いいなずけ)とか意味わかんない-
「春加ちゃんは、お勉強せんでもええ学校やわね」
恵子ちゃんにお酌をさせた分家の伯母さんが、にくらしいことを言うのを聞き流して。
立ち上がろうとしたら
「そうそう。この子はエスカレーターだがね。わたしがそう助言したったんやわ。えぇ婿さんを見つけるには、私立のお嬢さん学校にでも入って、どーんと値をつり上げな、あかんでしょ? なあ、春加ちゃん」
へいへい。
おかげさんで、カレシいない歴イコール年齢ですよ。
だけど付属校を選んだのは、お父さんがまた転勤になったとき、お母さんが迷わずあたしと残れるようにっていうお父さんの考えだし。
伯母さんの意見なんて、ちーっとも聞いてませんから。
「受験て言えば」突然思い出した。
「伯母さんとこの望くん、大学受験ですよね」