無口な彼の熾烈な想い
「絢斗さん、このフクロウはハリー◯ッターでも大人気となったあの有名なシロフクロウですよ。こんなに可愛い顔を見たら二度と忘れられないはずなのに、なんで絢斗さんにはこの子の魅力がわからないかなあ?」

確かに一度見たら忘れられない絶妙な顔つきだ。

「それにね、この子はこうしたら・・・」

鈴が得意気に腕を曲げ、鷹狩の領主のような姿勢をとって腕を持ち上げると、待ってましたというように、シロちゃんは目を見開き、鈴の腕に向かって羽ばたいた。

「どう?カッコいいでしょ?」

シロちゃんを腕にとまらせ小首を傾げる鈴に合わせてシロちゃんも首を傾げる。

その様子は、正に尊い・・・尊すぎて眩しいくらいきれいだった。

「写真」

あまりの尊さに、絢斗はすかさずスマホを取り出し、目にも留まらぬ早さで鈴とシロちゃんの勇姿をスマホにおさめた。

この動物園の売り。

それは、そう・・・。

フクロウや動物達とのふれあい、そして音さえ立てなければ撮影フリーという、まさに動物lover達にとっては天国のようなところなのである。

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