離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
「まつりだとわかって近づいていたみたいだけど、いつからこんなことになってたんだ」

「……つけられたのは、今日が初めてです。少し前から店に来てじっとこっちを見られていて、昨日、店の前で待ち伏せされていたんですけど、まさか家までついてこられるなんて……」

「そんな事態になっていたならどうして教えてくれなかったんだ。俺は君の夫だろ」

 高城は真剣な顔つきで言い放つ。私は驚き、大きく目を見張った。

「私を、本気で心配してくれているんですか?」

「あたり前だろ。自分の妻なんだから」

「私たちは愛し合って結婚したわけじゃないのに?」

 言い終えてから、はっとする。

 私、どうしてこんな確かめるような……。ただ「嬉しいです」と答えていればそれでよかったはずなのに。
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