離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
 どうして可愛らしく「私もあなたに抱かれて安心したい」とか言えなかったのだろう。これまでは、目的のためなら思っていないことも簡単に口にできたのに。

 すぐそばにある高城の顔が見られずに、私は男の胸もとに頭を預けた。

 わずかに高城の鼓動が伝わってくる。それは思いのほか速く動いていて、いっそう私を気恥ずかしくさせた。

 そのあと私たちはあの夜以来、初めて身体を結んだ。
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