離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
「まつり。今まで言えなくてごめん。俺はずっと前から君を知っていたんだ。当時シュペリユールに入社したばっかりだった俺は父に事情を説明され、まつりが無事に生活できているのか調査するように頼まれた」

「……私の調査?」

 私が口にすると、うなずいた高城の髪が髪にあたる。

「それから二年以上定期的に調査報告書に目を通しているうちに、いつしか俺は君をこの目で見てみたいと思うようになった。そこで俺は、あるとき君がアルバイトしていたカフェへ会いに行ったんだ」

 高城が、私に会いに来ていた?

 いつだったか、カフェで高城を目にした麻有ちゃんが、高城をどこかで見たことある気が……と言っていた記憶が頭を過った。

 もしかしてあれはメディアではなく、カフェを訪れていた姿を目撃していたのかもしれない。

 そんな思いを抱く私に、高城が「会うわけにはいかなかったから中へは入れなかったけど、何度か」と告げた。
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