離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
 いつも力強く離さないでいてくれる腕も、柔らかな低い声も、こんな私に最後まで辛抱強く向き合ってくれる優しいところも、なにもかもが愛おしい。

 償いにはならないかもしれないけれど、悠人さんを欺こうとした分、今からはなにがあっても真心で接すると胸に誓った。

「あなたを愛しています」

 私が言うと、悠人さんは法悦の笑みを浮かべる。

「俺も愛してる。君がいればなにもいらない」

 想いを確かめ合い、私たちは唇を重ね合った。

 私の凍った心は、溶けて恋という温かさを知った。
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