離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
 
 ふたりで私の両親の墓参りをして、父と母に改めて結婚の報告をした私たちは、悠人さんの車で一緒にマンションへ帰っていた。

 今聞いたところによると、本当は悠人さんのお父様も最初から日本にいて、私と悠人さんがこうなっているのを知っていたらしい。

 悠人さんが悠人さんのお父様に『まつりと結婚したいと思ってる。父さんを裏切るような真似はしないから、今はなにも言わず見守っていてほしい』と頼んでいたそうだ。

 あの状態の私に会わせるわけにはいかないので、悠人さんのお父様を海外にいることにしていたと。

「でも、お父様はここで偶然会うまで真実を話すつもりはなかったんですよね? じゃあ、悠人さんは誤解が解けないままどうするつもりだったんですか?」

 私は、運転する悠人さんの横顔に問いかける。

 私が言うのもなんだが、自分に憎しみを持っている相手の気持ちを好意に変えるなんて並大抵の努力じゃ難しいはずだ。

 下手をすればどんな目に遭わされるかわからないし、成功する可能性だって極めて低いだろう。
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