離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
 私は自分が思っていたよりも、周りに助けられていたのだと実感した。貯めていた貯金はやはり叔母も悠人さんのお父様も受け取ってはくれなくて、結局私は父が入院していた病院に貯金を全額寄付した。

 それほど大した額ではないけれど、皆の支えが私を救ってくれたように、そのお金が少しでも誰かの役に立てば嬉しかった。

 私は涙する叔母の肩をなだめるようにさすっている叔父に声をかける。

「叔父さん。今日はよろしくお願いします」

「まつりちゃん、本当におめでとう。正太郎さんも緊張しているかな」

 そう言った叔父は、もともと垂れている目尻をさらに下げた。

 このあと叔父は、父の写真を持って私とバージンロードを歩いてくれる。

 半年ほど前結婚式を挙げると決まったとき、叔父にバージンロードを一緒に歩いてほしいとお願いしていた。
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