離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
 私の言葉に、叔母はさらに涙の勢いを強め、ハンカチに顔を埋めつつも何度もうなずいてくれた。

「もちろん。僕も母さんも、もうとっくにまつりちゃんのことも娘だと思ってるよ。用がなくても、いつでもうちへ帰っておいで」

 叔父も、目に涙を溜めながら答える。

 しかし、すぐにはっとしたように「新婚さんに言うセリフじゃなかったかな」と気まずそうに首のうしろをさすった叔父を見て、皆で声を上げて笑った。

 どんなときも深い優しさで包んでくれた梅原家は、私にとってとてもあたたかな場所だった。

 私は、とっくに幸せを掴んでいたんだな。

 父と母の写真に微笑みかける。

 私、今、心から幸せだよ。大切な人がこんなにたくさんいる。もう大事な人を作るのを怖がらないから。
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