離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
「カフェで働いてるって言ってたけど、店はどこにあるの?」

「○○区にサングループホールディングスという会社の本社ビルがあって、店はその一階に。『ダンルジャルダン』という名前のカフェです」

「サングループの中にある『ダンルジャルダン』か。うちの会社とも結構近いから、取引先のところへ行った帰りに秘書がコーヒーをテイクアウトしてくれたことがあるな」

「そうなんですか?」

 高城の秘書が来店していたなんて知らなかった。

 高校を卒業したらひとり暮らしをする費用を稼ぐため、私は高校一年の夏から『ダンルジャルダン』で働き出した。

 叔母の家からは電車で三十分と離れた場所にあったけれど、中学の頃からとある栄養学を学ぶ短期大学への進学を希望していた私は、進学したときにアルバイトと学業の両立の負担を少しでも減らせればと大学のそばのカフェ『ダンルジャルダン』の面接を受けた。
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