パリへ追いかけてまで
日曜日、午前中に家族全員がリビングに集まる

「亮から、家族みんなに話しがあるそうだ。」

「うん。 みなさんに報告があります。
言いにくいんだけど…
俺は、4月にうちの会社には入社しません。 
辞退させていただきます。
どうしても、パリの斉藤 拓海さんの事務所で働きたくて、
パリの事務所に直接電話して、
何とか、斉藤さんに面接していただいて、
採用試験として課題の図面を制作した。

本当は、Eメールでも良かったんだけど、
どうしても直接見てもらいたくってさ、
またパリの事務所へ押しかけて行ったんだ…。

斉藤さんは、不在だったんだけど今の現場のイギリスから一旦戻ってくるのを待って、
製図を見てもらえたんだ!
そして、その場で、斉藤さんから採用合格って言ってもらえたんだ!

勤務は、斉藤さんの都合もあって
10/1からパリの事務所に出勤する事になってる。

9月から住むアパルトマンも、この前決めてきた。
家族みんなの事を裏切るようで、申し訳ないけど、
それでも俺は、斉藤 拓海さんの元で仕事を学びたいんです。

俺の人生…
自分の力で歩んでいく事を認めて下さいお願いします!」

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