ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「────そろそろ返事しないとな……」



お風呂から上がり、黒瀬先輩と今までやり取りしたメッセージを見つめる。

体育祭が終わって約1ヶ月。まだ告白の返事はしていない。


けど、既に答えは出ている。


中間テストが終わった後、何度も自問自答した結果、先輩のことは恋愛の目よりも憧れの目でしか見れなかった。

そのため、付き合えないと判断した。


「じゃあ早く返事しろよ」って、大体の人はそう思うよね。


でもさぁ……推しでもある憧れの人から告白されたんだよ?
しかも、仲良くさせてもらってるんだよ?


断ったら気まずくなって、今みたいに笑顔で話せなくなるかもしれない。

挨拶でさえもぎこちなくなるかもしれない。


そう考えると、怖くてなかなか言い出せないんだよ。



翌朝。



「あ、詩恩! おはよう!」

「はよ」



通学中に前方に詩恩の姿が見えたので、自転車から下りて彼の隣へ。



「文化祭の準備は進んでる?」

「うん」



実は、体育祭が終わってから詩恩の様子がおかしい。

いつも通り腹黒いし、挨拶もしてくれるけれど、どこか素っ気ないというか……。

再会した頃の冷たく突き放すような感じなんだよね。


やっぱり、騎馬戦で水沢くんを応援したから拗ねてるのかなぁ。

でも、全然やきもち妬かないって前に言ってたし……。
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