ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
眉尻を下げて自虐発言をした明莉に吹き出すと。



「本当に……本当にごめんね……!」

「大丈夫だって、すぐ治るよ。うつるから早く離れて」

「うううっ……なんて熱い友情……いや、愛情なんだ……っ!」



抱きついてきた明莉と、わざとらしく泣きマネを始めた健を落ち着かせる。

来てくれたのは嬉しいけど、俺、一応病人なんだから静かにしてくれよ。



「お腹空いたから飯食ってくる」

「あぁじっとしてて? 今持ってくるから!」

「えっ、作ったの?」

「うん! 温めてくるからちょっと待っててね♡」



ウインクして出ていった健。

語尾にハートが見えたぞ。
なんか嫌な予感がする……。



「今日、黒瀬先輩から連絡が来たよ。詩恩が教えてくれたって聞いた」

「あぁ……先輩、明莉と仲良くしたそうだったから教えた」

「そっか……ありがとう」



沈黙が流れる。

……今日はいつものが元気ないな。
推しから連絡が来て嬉しいはずなのに。どうしたんだろう。



「なんか元気ないな」

「えっ! そんなこと全然! 元気だよ?」

「本当に?」

「……体調が悪いのに、いつものテンションだと疲れちゃうでしょ?」
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