これを愛というのなら
去年の繁忙期前から、社内では噂になっていた、

新しい系列店= 結婚式場の案内所のマリッジを立ち上げる件。


まさか、そこのチーフという名の責任者に梓が、選ばれるとは……俺も予想外だったが、

一番驚いてるのは、梓本人だろう。



毎日、毎日。

来月オープンの準備に追われ、

たくさん物が積めるという理由で、俺のSUVに乗って、

マリッジと結婚式場を行ったり来たり。


えっ?俺はどうしてるかって?

すっかり乗らなくなったくせに、駐車場を借りていた、梓の車に変わった。

軽自動車だが食材くらいなら、後部座席を倒せば積めるから、問題はないよ。



俺が煙草をよく吸いに行く、厨房の勝手口横のゴミ箱の影で、

梓が色々と抱えている姿を見かけると、

ついつい、手伝ってやる、と声をかけてしまう。


社内では、会うことも当然ながらないわけで。

家に帰れば会えるくせに、淋しいと思う。

だから、これが唯一、社内で会える方法で。

無理すんなよ、と車の影で、ここぞとばかりに触れてしまう。


一緒に住んでいれば、お互いの嫌な所や許せない所も出てくるけど。

それは、その都度、言い合うようにしているし。

ずっと、くっついてる俺らでも、些細な事で喧嘩のひとつやふたつするし。

ただ、引きづらないようにしているだけで。


本当に、梓と居ると心地がいい。

俺が俺で居られる。


俺は、どれだけ梓を愛してるんだろうな。
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