これを愛というのなら
厨房のドアを勢いよく開けた鈴木。



「料理長!?」


鈴木の甲高い声が、厨房に響き渡る!


「どうした?そんなに血相変えて」



明日、平日に家族だけで結婚式を挙げるお客の料理の仕込みをしていた、蓮は、


鈴木のいつにない切迫した表情に、何か良からぬ事が起きた、と察した。



「倉本さんがっ!アレルギーで、苦しそうで!今、チーフが救急車呼んで!」


焦っている鈴木は、早口で蓮に事態を伝えた。



それを聞いた蓮は、何も言わず。


コック帽を取り、


「あとは頼んだ!」


副料理長に、コック帽を渡して厨房を出て行った。
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