これを愛というのなら
chapter;8
翌朝ーーー。


腰を擦りながら、出社した私たち。



「昨日は、激しかったみたいね」


隣の席から、利香に小声でからかわれ。

腰を擦りながらトイレから出てくると、


「倉本さんも腰が痛いんですか?料理長も痛そうに擦ってましたよ」


ふふっ、と鈴木にからかわれ。


厨房に用事があって行けば、蓮と仕事の話をしている私達を見て。

副料理長にまで、二人で腰が痛そうだけど、とからかわれ。

蓮と苦笑いで返して。







そんな一日から、早いもので月日は流れーーー。

来月からは繁忙期に入る。


毎週土日は、1日5組という目ま苦しい1日が待っている。




この結婚式場は。

A棟、 B棟、C棟と別れている。

結婚式の際に、披露宴に招待された方=所謂ゲストと私達は呼んでいる方達をお出迎えして、式までのサポートと新郎新婦のお世話をして、平日は前撮りのサポートをするA棟。

厨房、レストラン、ウェディングケーキやレストランのショーケースに並べるスイーツを専門に作っているパティスリー、披露宴の際に料理や飲み物を提供する、蓮のいるB棟。

そして、私のようなプランナーや事務作業専門の事務員さんがいる、C棟。



繁忙期にのみ、出入りの激しいウェディング業界の人手不足という事情もあり、私はA棟の仕事をこなしている。


そのおかげで、蓮と二人の時間なんて作れない。


ちょっとだけ可愛いく、そう嘆いた私に。

俺の家に引っ越して来いよ?と、言ってくれた。

それが、嬉しくて。


ちょうど、私の家の更新が迫っていたタイミングと重なって、蓮と一緒に暮らすことにした。
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