これを愛というのなら
chapter;11
クリスマスディナーも最終日を迎えた日ーーー。


予想より早く、大きめの紙袋を持って、蓮が帰って来てくれた。


いつものやり取りのあと、鞄とその紙袋を渡して、

いつものようにアウターを脱ぎながら、
リビングに行く蓮の背中に。


紙袋の中身ってなに?と訊くと。


「今日はクリスマスだろ?だから、余った料理をもらってきた」


クローゼットに向かいながら、一緒に食べようぜ、と振り返って微笑んだ。


「ちょうど、何か作ろうって考えてたとこだったの。ありがとう」


でもさ、片付けは?って聞こうとしたけど…早く帰って来てくれたことが嬉しくて。

きっと副料理長に任せてきたんだろう、と聞かずに。

キッチンにそれを置いた所へ、座っとけ、と。

俺がするからって言ってくれた蓮に、素直に甘えて、

カウンターのスツールに腰を下ろした。




蓮が出してくれたそれは、ただお皿に入れるてかそんなレベルではなく…

綺麗!と思わず、叫んでしまうほど。


「そうか?普通だろ」


蓮は、そんな風に言うけど。

普通じゃないから!

ワンプレートに、前菜からメインまで並べれてて。

メインのソースで "☆Merry☆Xmas☆" と書かれている。

器用にできるよね、ソースで。


しかも、、、美味しい!


「それはよかった」


蓮は笑いながら、食べてる私を見ながら。

自分も、それを食べて。

今日は二人で後片付けをしたあと。



クリスマスプレゼントに。

財布と鞄と同じ、フランスのブランドの、キーケースを。


大切にするな、ありがと。と、喜んでくれた蓮と、

久しぶりに一緒に、お風呂に入って。

ベッドに入った頃には、日付が変わる1時間前だった。
< 78 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop