異世界転生したから、楽しくスローライフを送りたい!!
「おや、それはそれは。お名前を、お伺いしても?」

司祭様は、私たちを見て楽しそうに言う。

「シェーナリンデ・ガルムトアだ。これから、よろしく頼む」

マーガレットさんの言葉に、頷いて司祭様はまた祭壇横のドアに入ると、出てきたときには掌の上に水晶玉を乗せて戻ってきた。

「シェーナリンデ様、これに手を乗せてみてくだされ」

司祭様に促されて、私はその水晶玉に手を乗せる。
すると、水晶玉は淡く輝きだした。その色は温かみのあるオレンジ色で、司祭様は楽しそうに言った。

「大きくも、温かい魔力をお持ちですな。次代の魔女様と認定いたします」

はい? オレンジの光で魔女認定なの?
不思議そうにしている私に、司祭様は教えてくれた。

「この水晶玉は魔力がないと光りません。 そして普通だと光るだけで色は着かないのです。色味のある光を放つ者は、魔女だけなのです」

なるほどね、そういう物なんだね。

「しかし、オレンジの光とは。史実上二人目ですから、私でもその能力については分かりません」

えぇ、二人目ってすごい貴重だね……。

「赤は火魔法が、青は水魔法、白は風魔法などが有名ですな。この薬師の森の魔女様だと、緑なんですよ。オレンジは土に近いのかと言われますが、過去一人しかおらず、古い文献で記録は薄くなっており、読めないのです」

はぁ、そんな貴重なの?
オレンジ、想像つかないね?

まぁ、魔女様の後継ぎにはなれそうで、良かったのかな?

「まぁ、能力はおいおいルーチェ大おばあ様が導き、教えてくれるでしょう」

そんなクランツさんの言葉に、司祭様も頷きつつお祝いを述べてくれた。

「君の長き人生に、幸多からんことを」

こうして、生家では受けられなかった魔力検定も無事に終わり。
私はこの辺境の地で魔女としての生活を、周囲の優しい大人たちに見守られて、始めることとなった。

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