不器用同士
「はぁ…」
脱衣所のドアを閉め、ため息をつく。
久しぶりに帰ってきた。
1ヶ月以上姿を見てなかったし、月末は忙しいと思ってたからあと1週間は家に帰らないと思ってた。
服を脱ぎ、お風呂場に入る。
お風呂溜めるのめんどくさいからシャワーだけでいいや。
少し熱い温度のシャワーを浴びて、ぼーっとする。
仕事人間のお父さんは昔から家に帰ることが少なかった。
だから今更、どう接すればいいのかわからない。
私は元からおしゃべりな方でもないし。
でも、お母さんのことを思うとお父さんに対していい感情を抱けない。
子供の頃に見ていたお母さんの姿を思い出した。
いつも側にいないお父さんを想って、泣いていたお母さんの姿を。
「……暑い…出よ」
火照ってきた顔を洗ってシャワーを止め、湯気が立ち込める風呂場から出た。