翔んでアルミナリア
まだ夏休みかと思うと得した気になるわたしは、つくづく呑気にできている。

アルミナリアで宮女として働いたり、荒野を馬で駆けたりしていた日々から、実にすんなりと元の生活に戻っていった。
しばらくはご飯がやたらと美味しく感じられて、体調を案じていた母も、わたしの食欲に一安心したようだった。

後日談がいくつか。

「導力、使えなくなっちゃったよ」
コーラのストローをくわえながら、蓮くんがつぶやく。

「蓮くんてば、そればっか。こうして二人とも無事に戻ってこれたんだから、文句は言いっこなしだよ」
年上らしくたしなめた、つもりだ。

夏休みのファーストフード店で、わたしたちは中学生と高校生らしいデートをしているのである。

「使えたら便利なのになー」
未練がましく指を動かしてみせる。

「超能力者だもんね」

そういえばさ、と蓮くんが周囲をはばかるように声のトーンを落とす。
「昨日の夜、久しぶりにゲームを起動してみたんだ」

「ゲームって、あのアルミナリアの?」
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