翔んでアルミナリア
「またなにか起きたら…って怖くて、退院してから一度も起動してなかったんだけど」

その気持ちはよく分かる。

「そしたらさ…」

蓮くんが言うには、プログラミングした覚えがないエンドストーリーが追加されていたそうだ。

「リュシウス帝とエレオノア姫が、内乱を平定して晴れて結婚するっていうストーリー。結婚式にはもちろんマリス王子も招かれてた」

「それ、最高のエンディングだね」
わたしたちが為し遂げたんだ、と思いたい。誰も知らない、二人だけの秘密だけど。

店から出ると、どちらともなく自然と指が絡み手を繋ぐ。

蓮くん、と見上げて口にする。
「また背が伸びたんじゃない?」

かも、とわたしと繋いでいないほうの手を頭にやる。
「どこまで伸びるかな」

「もう十分大きいよ」
わたしを包んで守ってくれるくらい。

幼い頃からずっとそばにいた大切なひと。
これからも一緒に月日を重ねていきたい。

想いをこめて、蓮くんと繋ぐ手に、きゅっと力をこめる。

一拍おいて、彼がその手を握り返した。



【完】
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