綺桜の舞う
俺と20センチ以上差があるし、そりゃ首も痛いわけだわ、って。
背伸びしても届かないわけだわ、って。


「あ、ねえねえ、こんなのどー?似合うかな?」


差し出されたのは水色の花柄ワンピース、ひらひら。
袖は5部丈だけど、肩から根こそぎ布がない。
肩出しの可愛らしい、感じ。
……露出。
いや、まぁ……いいけども。誰が見るわけでもないし。


「うん、可愛いと思う」
「私が着ても貧相じゃない?」
「ん、大丈夫だろ」


多分だけど。


ちなみに明後日あたりに2人でプール行こうって話。
俺が退院してすぐでまた免疫下がっちゃってたらダメだからって叶奏の家の屋根も出るらしい屋外プールに屋根を出してもらうことになった。
……お金持ち、恐るべし。


ただ、あの実家にもう一回行くと思ったら少し気が病みそうだけど。


「じゃあこれにする〜」


叶奏は嬉しそうにレジに水着を持っていって、で、その間に俺は姉貴と連絡を取る。
あと30分待ってくれ、と連絡が来た。
どうやら男が釣れたらしい。
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