綺桜の舞う
「ん〜?だって真子ちゃんと付き合ってたときとかどーよお前。
遊びに行こうって言われて、何かと理由つけて断るし、キスなんてせがまれても絶対しなかったのに。めんどくさいからって、結局ヤり逃げしたろ?
今なんかどーよ?
直接看病できないからって?ご飯作って置いてくるとか。健気だねぇ〜」
「やかましいわ」


と、突然。


伊織の携帯が鳴り響く。
うとうとしていた陽向は目を覚まして、その大きな音に口を膨らませた。


「……もしもーし」


相手はどうやら雪兎。
数秒後伊織は気楽な雰囲気から打って変わって真剣な顔。
スピーカーモードにしてテーブルの上にスマホを置いた。


『今、朔と蛍が襲撃にあってるぽい。蛍から連絡きた。場所は伊織のお気に入りのホテルある繁華街の公園の方。バイク並走3台くらいの道のとこ。
俺ら今日全然人いなくて、助けてほしい』
「りょーかい。多分5分あれば着くと思う」
『ごめんね、頼んだ。俺らも今から向かう』
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