綺桜の舞う
41.抗争、再び
「ねね、湊くん」
「ん?」
「ぎゅーして」


俺の寝そべるベッドに飛び込んできて、有無を言わさず抱きついてくるのは叶奏。
叶奏にお酒を飲もう、と言われてほぼほぼ2年ぶりに酒を開けて、短い缶を1本、割とちゃんと酔った。
……頭重い。


「ん、どした?」


とは言うけど、もうなんとなく理由はわかっている。
敵の宣戦布告が、明日を告知していたから。
決戦前の叶奏はいつも、緊張している。


「……あのね、湊くん」
「うん」
「好きだよ、ほんとに」
「うん」
「うん」


叶奏は俺の胸に顔を押し付けてまた、うん、と頷いた。


「ほんとにどした?」
「んーん、何も」


やけに曖昧な返事をする。







「……ごめんね、私、明日戦えない」
「……叶奏?」


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