綺桜の舞う
いや、生まれた時からだったのかも知れない。
今まではただの幸運で、発症は最初からで。


俺があの家からイラナイ、と言われたのはそれからすぐ後のことだった。
今までの努力はなんだったんだろうか。
血の滲むような努力は、誰にも知られないまま、俺は捨てられた。
天性なはずがない。この歳で父親に勝とうなんてそんなことを考えるバカが努力しないはずがない。それくらい、俺は父親のことを尊敬していた。…尊敬していたから、裏切られたと思った。


退院したその日に俺は施設に預けられて、当たり前に孤独だった。
俺から放たれる、やばい雰囲気に子どもどころか大人すら必要以上に近づくことはなかった。
朝起きても、食事の時も、寝るまで一言も話さない日だってあった。


あぁ何で生きてるんだろうって。
何度思ったかわからない。
今まで生きていた価値なんてないんじゃないかって、ずっと思ってた。


そんな日々が一転したのは、俺が施設に入ってから半年が経った頃だった。
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