綺桜の舞う
「……いい人見つかるといいね」
「お前より死ぬほど可愛いやつ捕まえることにした」
「なんなんマジで」


まぁ、こいつの決断を長引かせているのも、笑えない天丼にことを進めさせているのも、圧倒的に俺が悪いんだと思う。


「て言うか、なんで伊織のこと好きなの?」
「何?ジェラシー?」
「……いいよ、もう」
「ごめんごめん、根は真っ直ぐだってわかったから」
「ふぅん、悪そうに見えてるやつはいいことしたら周りよりいい子に見えるってやつね」
「うん、それ。男も女も総じて単純ってことだよ」
「へぇ〜」


理由なんて、どーでもいいけど。本当は。


「退院の日、迎えに行くの?」
「え、行かない。めんどくさい」


……いや、ほんと。
伊織もなんでこんな女のこと好きなんだよ……。


人のこと、言えないけどさ……。


うわぁほんと意味わかんねぇ。死にた。


「……てか、うちら今回参加できてないじゃん?」
「いつもじゃん。俺ら戦えないわけだし。
各々拾われた身で、何にも出来ないのに抗争参加する意味とかないでしょ」
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