綺桜の舞う
ちゃっかりメイクまでして。
どうせ落ちるだろうに。


「見てみて〜可愛い?」
「……」


圧倒的に確信犯。


「湊くん、かわいい?」
「へーへー」
「も〜〜、ちゃんと返事くらいしてよ」


むぅっと口を膨らませて俺を睨みつける。
全然怖くない。
なんなら。……はぁ。


「とりあえず飯食えば」
「……ふんだ」


とか言いながらスタスタ上がっていつもの席に座る叶奏。


「湊くん」
「ん?」
「ほんとに可愛くない?」


別に。そんなこといってない。
普通に似合ってると思うよ。
思うけど、だから余計に。


他の男に晒すのが嫌って言うか……って。
なんか俺。


「別に?男にモテそうだと思うけど?」


ヤキモチ、とか。ガラじゃない。


無駄にあざとい姫野に少しイラッとして、ふてぶてしくそう言う。
多分、俺も姫野も、虫の居所が悪かったんだと思う。


パシンッ


「そういうのが言って欲しかったわけじゃないもん!もういいですっ、」


めちゃくちゃ拗ねて、俺のこと平手打ちして出て行った。







……いってぇし。
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