綺桜の舞う
「蛍と沙彩にお前の腹は閲覧注意だって言われたことあります」
「は?」
「ガリガリです。引かないでください」
「あぁ……それぐらいなら。
全然見慣れてるし」


下の奴らにもそう言うやついるし。
……元カノもそんなだったとか言ったら流石に泣かれそうだけど。


「……見慣れてるとは」
「常駐虫」
「女の子?」
「両方」


ふーん……とうつろに呟く叶奏はゆっくりと服を上げて横を向く。広範囲にわたるアザ数箇所。


「……そんなに女の子の身体見ることあるの?」
「別に。大体はお互いでし合ってるけど、うちは女子面子少なくて1人の時とか普通にあるから」
「どの子の身体が1番好き?」
「は?そんなんなくね?」


下を向いて唇を突き出して拗ねた顔。
俺は手当てを始める。


「……気にするなは酷かもだけど、そう言う感情あるわけじゃないから」
「私のこと好き?」
「うん」


拗ねた顔が、無駄に可愛いのやめてほしい。
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