綺桜の舞う
14.襲撃
ガシャーンっ、とどでかい音が倉庫に響き渡る。


「……来たか」
「だな」
「流石、うちのハッカーだけあって情報は正確だな」
「時間まで計算できた俺を褒めて欲しいぐらいだけどな」


と、二階へ上がっていく夕。
俺と夕が戦えない、戦える幹部も総長もこの場にはいない。
さぁて。
時間が読めたところで対策ができてないと意味がないところではあるが。


俺は立ち上がる。


「どーも。倉庫に幹部の方たちはいらっしゃらないという情報だったんですが、どうやら。
ちらほら、ですね」
「まぁ、戦力としてはいないも同然なもんで」


「そのご様子で。
我らが青狐。綺龍を潰しに参りました」
「夜桜じゃなくて良かったんですかね」
「夜桜の倉庫はいまだにどの族も割れていません。
あなたたちのことを倒して情報を引き出すのも悪くないかと」


残念ながら、俺たちは夜桜の倉庫は知らない。
信用されてないとかではなくて、単純にタイミングがないだけなんだけども。
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