My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
でもそこでハっとする。その子の腕に引っかいたような大きな切り傷があり血が流れていた。先ほどのモンスターにやられたのだろうか。
お母さんはその子を強く抱きしめながら涙声で続ける。
「本当にありがとうございます……! お蔭で私もこの子も助かりました!」
「いやぁ良かった!」
「ありがとうな、兄ちゃん!」
そんな男の人の声で気付く。いつの間にか周りに人だかりが出来ていた。
ラグは返事をしようとはしない。
代わりに私が何か言わなければと口を開けた時だ。
「みんなー! 大丈夫だったーー!?」
大きな声が聞こえてきて周囲にいた人たちは皆そちらを振り返った。
「マルテラー!」
「こっちは大丈夫だ! 皆無事だぞー!」
こちらに走ってくるのは動きやすい傭兵のような格好をした女性だった。その手には細身の剣が握られている。
「マルテラ……?」
そのときラグが小さく呟いた気がした。
お母さんはその子を強く抱きしめながら涙声で続ける。
「本当にありがとうございます……! お蔭で私もこの子も助かりました!」
「いやぁ良かった!」
「ありがとうな、兄ちゃん!」
そんな男の人の声で気付く。いつの間にか周りに人だかりが出来ていた。
ラグは返事をしようとはしない。
代わりに私が何か言わなければと口を開けた時だ。
「みんなー! 大丈夫だったーー!?」
大きな声が聞こえてきて周囲にいた人たちは皆そちらを振り返った。
「マルテラー!」
「こっちは大丈夫だ! 皆無事だぞー!」
こちらに走ってくるのは動きやすい傭兵のような格好をした女性だった。その手には細身の剣が握られている。
「マルテラ……?」
そのときラグが小さく呟いた気がした。