My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
「もし足りていないのならば引き続き協力するつもりでいるが」
私もうんうんと頷く。モンスターたちのことも気になるし、鉱山内部に私たちの目的のものがある可能性だってある。ラグも同じ気持ちのはずだ。
「それはとても有難いのですが、皆さんをこのままお引き留めするわけには」
「問題ない。元々この街で調べたいことがあってな」
「調べたいこと、ですか?」
セリーンが私を見た。私は頷きパシオさんの方を向く。
「あの、パシオさんはこの街にいて歌とかセイレーンの噂って聞いたことありませんか?」
案の定パシオさんは目をぱちくりとさせた。
「この子は少し変わっていてな。歌というものに興味があるんだそうだ」
セリーンがそうフォローを入れてくれて私は苦笑する。
「すみません、変なこと訊いて。このレーネの街でそんな噂があると聞いたんですが……」