ヤマジ君の…ヒミツ★
でもまぁ……。
確かに、女の子に人気があるのも頷けるルックスだ。
ヤマジ君とはまた違ったタイプの美形。
ヤマジ君が可愛い系の美少年だとしたら、こっちは大人っぽいお兄系のイケメンって感じかな。
背も高いし、彼独特の雰囲気っていうか……なんか色気みたいなものがある。
あたしの視線に気付いた工藤聡史がふいにこちらを向いた。
一瞬目が合うと、ふわりと柔らかく微笑んでくれる。
う……。
ヤバい……。
この目か。
みんなこの目にやられるのか。
不覚にも『かっこいい』なんて思ってしまった自分が悔しい。
「ちょっ、ちょっ……」
工藤聡史は口の端を上げると意味深な笑みを浮かべて、チラチラあたしの方を見ながらヤマジ君の肩を叩く。
そしてヤマジ君を立ち上がらせると、肩を組んで保健室の端の方へ連れていった。