ヤマジ君の…ヒミツ★
なぁに?
あたしに聞かれちゃまずい話しってこと?
あたしはフンッと鼻を鳴らすと、パソコンに向き直って手を動かす。
ブラインドタッチはお手のもの。
パチパチとあり得ないぐらいの速さでデータを打ち込んでいく。
アナタ達の会話なんて、全く興味ありませんことよ?
――て雰囲気を背中に醸し出しながら。
「なぁ……今日……お前んち、行っていい?」
内緒で話してるつもりかもしれないけど、工藤聡史の声がボソボソとあたしの耳に届く。
言っておきますけど、わざと聞き耳立ててるわけじゃないんですからねっ。
あたしは、不自然なぐらい力強く、カチャカチャとキーボードに指を叩きつける。
だけど次に飛び込んできた工藤聡史のセリフにあたしの耳は一気に巨大化した。