【完】今夜も愛してあげる。
数十分ほど車に揺られた後、見慣れたマンションに到着した。
1日しか経ってないのに、久しぶりに帰ってきたような感覚。
鍵を開けてもらって中に入ると、やっぱり家が一番落ち着く。
湊叶さんはこちらに背を向けたまま一言も喋らない。
まだ怒ってるみたい。
もう夫婦関係は終わりかもしれないけど、最後に思ってることをちゃんと言わなきゃ。
「……あの、湊叶さん。私」
「ごめん」
勇気を出して口を開けば、突然頭を下げられて驚いた。
「本当は思ってないのに、ついあんなことを言ってしまってすまなかった。正直に言うと、君にカッコいいと言って貰えるのが羨ましかっただけなんだ。
ただの大人げない嫉妬だよ。」
ええ、私みたいな平凡な女でも嫉妬されることなんてあるんだ……
もし逆の立場だったら、そりゃいい気はしないと思う。