【完】今夜も愛してあげる。
嵐が過ぎ去った後の様に、シーンと静まり返った店内。
私の手を握ると、申し訳なさそうに眉尻を下げる。
「……智紗、巻き込んでごめん。あの子は昔付き合ってただけで、俺が好きなのは智紗しかいないんだ」
「大丈夫。最初からちゃんと断っていたから、信じてます」
「ありがとう。“私の夫”って言ってくれて嬉しかった」
待って、今気づいた。
何で性事情を公の場で赤裸々に喋ってたの??
恥ずかし過ぎる…!!うう、穴があったら入りたい……
「今すぐ此処でキスしたい程可愛い」
「へ……?」
頬をそっと大きな手で包まれ、本当に唇が触れそうな距離まで迫ってきて、ドキドキが止まらない。
「おーい、俺らがいるの忘れてない?」
はっ!
危ない、雰囲気に呑まれるとこだった。