【完】今夜も愛してあげる。
「遅くなってごめん、もう大丈夫」
制服のジャケットを私に被せて、震える体を抱き寄せて優しく擦る。
守ってあげられないって言っておきながら、駆けつけてくれるなんて本物のヒーローみたい。
湊叶さんがいなかったら、今頃酷い目に遭っていたのが身に染みて感じた。
もう少し危機感を覚えないといけないな……
泣きそうになるのを堪えて、大きな背中の後ろに隠れる。
「チッ……あと少しだったのに。
職務を放棄するとはいい身分になったものだな」
朝哉さんが恨みを込めたような目つきで睨みつけている。
「どうしても心配で、交替してきて正解だった。
…それより、見損なったぞ。俺が来られない時間帯を狙って、わざと智紗を呼びつけたりして。
俺を恨んでいるなら俺だけを狙えばいいだろ!?
何で関係ない智沙まで巻き込むんだ!」