夢みたもの
「駄目だよ!!」


あたしが施設に戻る事を一番反対したのはユーリだった。


「ひなこはずっと一緒に居るんじゃないの!?戻るなんて駄目だよ!一緒に行こうよ!!」

「そういう訳にはいかないんだよ」

「何で!?」


おじさんの両腕をつかんで揺さぶりながら、ユーリは必死にそう言った。


「ねぇお願い!ひなこも一緒に連れてって!」

「ユーリ」

「可哀相だよ!」


「お願い・・・ひなこを一人にしないであげて・・・」


嗚咽を漏らしながら、ユーリはそのままおじさんの腕の中にしっかり抱きしめられた。



どんな時も受け止めてくれる家族が居るユーリ。

あたしには何もない。



その事を実感しながら、あたしはただ黙って見ている事しか出来なかった。



あたしには、何も言う権利はない。

この家で過ごせた事がラッキーだっただけで、本当はずっと施設に居る筈だった。



ただ、ここでの生活が余りにも幸せ過ぎただけ。


だから、失う事が辛くて・・・・怖かった。


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