夢みたもの
『ずっと一緒には居られない』
その事は、一緒に住む事が決まった時に言われていた。
おじさんに外国でする仕事が決まったら、ユーリの家族は皆で外国に行く事になる。
あたしが一緒に住めるのは、日本に居る間だけ。
あたしはずっと、その日が来ない事を祈っていた。
毎日が凄く幸せで・・・
この幸せが無くなるなんて、考えられなかった。
「ごめんね」
おじさんとおばさんが、申し訳なさそうに言った。
「お母さんが見つかるまで、もう少し時間がかかりそうなんだ」
「おばさん達は外国に行ってしまうけど、お母さんは必ず見つけるように頼んでおいたから」
「でも・・・」おばさんは表情を暗くして、あたしから視線を外した。
「でもね・・・」
言いづらそうに何度も言いよどんでから、おばさんはあたしを真直ぐ見つめて言った。
「ひなこちゃんはそれまで・・・・施設に戻ろうね」
一番聞きたくない言葉。
ずっと恐れていた現実が目の前に戻ってきた瞬間だった。