夢みたもの
幼い時、あたしを救ってくれたユーリ。

家族を失って、孤独と後悔に苛まれているユーリ。


今、そのユーリが苦しんでいるなら、今度はあたしがユーリを救いたい。

あたしが側に居る事が、ユーリの為になるなら・・・

あたしは・・・、

あたしは、ユーリの側を離れる訳にはいかない。



「・・・ごめん・・」


あたしは小さくそう言った。


「・・・ユーリは昔、あたしを救ってくれたの。今、ユーリの側を離れる事は出来ないよ・・・」


胸が悲鳴を上げていた。

息が出来ない。

張り裂けそうな程に、胸の奥で何かが蠢く。

胸に数えきれない程の針が刺さったようで・・・、あたしは胸元を押さえて俯いた。

次に航平が何を言うのか・・・・考えるだけで怖かった。



「・・・・そう・・言うだろうと思ってた」

「・・・・!?」


頭上から聞こえた声に、あたしはハッとして顔を上げた。


今、何て・・・?

航平は何て言ったの?


目の前で寂しそうに微笑んだ航平は、あたしを真っ直ぐ見据えて口を開いた。




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