夢みたもの
「ギフテッド‥というの」

「‥‥ギフテッド‥?」


おばさんの言葉に、あたしは首をかしげた。


聞いた事がない。

何の話をされているのか分からなくて、あたしはただ首をかしげておばさんの次の言葉を待った。


「その‥ギフテッドって‥?」


「英才児、優秀児、天才児‥訳すとそんな言葉になるらしいわ」

「‥‥天才‥?」


そう繰り返したあたしは、まばたきをしておばさんを見つめた。


「あの‥それがどうかしたんですか?」

「‥‥」

「おばさん?」


「‥‥航平の事なの」


消え入りそうな声で、おばさんはポツリと言った。


「航平‥?」

「‥えぇ」


「それって‥‥航平が天才だって事ですか‥?」

「‥‥」

「‥や やだなぁ‥、それ何かの冗談ですよね?」


あたしは頬が引きつるのを感じながら、それでも無理矢理笑った。


おばさんは何も答えない。

その事に焦ったあたしは、もう一度おばさんに笑いかけた。


「でも‥だって航平は‥あたしと変わらないですよ?確かに頭は良いけど‥、でも、別に‥‥」


幼い頃からずっと一緒に過ごしてきた。

その相手が突然天才と言われても、そんな事信じられない。

冗談を聞いているとしか思えなかった。



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