夢みたもの
「‥こら、何ニヤニヤしてるの?」


葵がそう言ってあたしの頬を引っ張った。


「ひなこらしくない‥‥締まりのない顔ね」

「だって‥」


緩んだ頬を戻す事は出来なかった。


3人一緒で居る事が‥

前と同じように皆が笑って居られる事が‥‥

凄く嬉しかったから。



「だって‥嬉しいんだもん」

「え?」

「3人一緒に居られる事が、凄く嬉しいんだもん」


そう言ってあたしが笑うと、葵は小さく苦笑してあたしの頭に手を置いた。


「バカね‥、当たり前じゃない」


「あ、葵ちゃん 顔赤いよ!?」

「もぅ‥うるさいわね 鞠子は!?」


口ではそう言いつつも、葵は頬を僅かに赤くして笑う。


葵と

鞠子と

こんなに声を上げて笑うのは久しぶりだった。


一緒に居るだけで幸せになれる

そんな存在を‥

そんな時間を‥‥

大切にしたいと心から思った。



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