夢みたもの
鞠子の言葉は‥‥

聞いているだけで切なくなった。


鞠子は‥‥

今でも航平の事が好き。


いつもみたいな憧れじゃなくて、本気で好き。

だから

航平に告白した。

今までずっと黙ってた。


それは、凄く切なくて‥

切なくて‥‥


申し訳ない気持ちになった。



「‥‥ひなこ?どう思おうと勝手だけど、鞠子に対して済まない‥‥なんて思っちゃ駄目よ?」

「‥え?」


顔を上げると、葵があたしを真っ直ぐ見つめていた。


「そう思ってるでしょうけど‥‥『申し訳ない』『可哀想』そんな風にひなこに思われたら、鞠子の立場が無くなるわ?」

「‥‥」

「そりゃぁ‥、まだ気持ちがハッキリしないから、鞠子に対して複雑な気持ちになるのも分かるわ」


「でもね」と付け加えた葵は、鞠子の頭に手を置いて、小さく笑った。


「鞠子の気持ちを考えてあげて?どうして鞠子が、無謀過ぎる告白話を話したのかをね?」

「‥‥」

「葵ちゃん‥さっきから無謀、無謀ってうるさい。誉められてるのか、貶されてるのか‥よく分からないじゃん!?」

「勿論、バカにしてるのよ‥分からない?」

「ひどぉ〜い!!」


頬を膨らませた鞠子の頭を、葵は小さく笑ってポンポンと叩いた。


「本当‥、無謀でバカな事ばっかりしてるけど、自慢の友人達よ」



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