夢みたもの
━・・━・・━・・━

「‥‥ごめんなさい」


早朝の音楽室。

目の前に差し出されたノート。

気まずさを感じたあたしは、うつむきながら目を逸らした。



『クリスマスは一緒に過ごせる?』


ノートに書かれた言葉。


その言葉を目にした瞬間。

胸に痛みがはしった。


その話題が出る事は分かっていた。

でも、自分から話をするのは嫌で‥

言われなければ‥‥

ユーリがその話題を出さなければ‥‥

そのままにしてしまおう。

そんな‥卑怯な事を考えていた。


だって‥‥

ユーリを傷付けなくない。

でも、その為にどうしたら良いのか分からなかった。



『そう。もう約束してるの?』


「‥う‥うん。ごめんね」


『いつも一緒に居る彼?』

「‥‥!!」


咄嗟に顔を上げた。

そして、上げなければ良かったと‥‥後悔した。


あたしを見つめるユーリ。

その表情は、凄く寂しげで‥‥

胸が締め付けられるように苦しくなった。



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