夢みたもの
「‥‥え?」


一瞬、何を言われたのか分からなかった。

まじまじと航平を見つめると、航平はますます頬を染める。


「ちょっ‥見過ぎだって」

「だって‥」



航平が‥‥ヤキモチ?


意外だったのと、怒っていたんじゃないと分かった安心から、あたしは吹き出すように笑った。


「ひなこ‥!?」

「ごめん」


目に滲んだ涙を拭う。


良かった。

安心と同時に、意外と子供っぽい航平の反応が嬉しかった。


「だって、変な事言うんだもん」

「‥‥」

「ずっと不機嫌で‥怒ってるんだと思った」

「違うよ」


小さくため息を吐いた航平。

まだ少し頬を染めたまま、あたしを真っ直ぐ見つめる。

そして、伸ばした指先であたしの頬を軽く撫でると、切なげに目を細めた。


「言ったでしょ?俺‥独占欲が強いって」

「‥‥」

「だから、我慢出来なかった」

「‥‥」


その言葉に、今度はあたしの頬が熱くなる。

あたしは慌てて横を向いて誤魔化した。



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