夢みたもの
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『日記を読んで欲しい』

思いがけないユーリの言葉。


母とあたしの為だと、崇さんは言っていた。

あたしの幸せの為だと、ユーリは言う。


それはどんな内容なんだろう?



「‥‥!?」


首をかしげながら歩いていたあたしは、ふとロビーの処で足を止めた。


少し先の柱の影。

病室に居る時と同じように、真っ直ぐ一点を見つめて柱に寄りかかっていたのは‥‥航平だった。



「‥‥航平‥」


「やっと帰ってきた」


そう言って身を起こすと、航平は小さく笑った。


「帰ったんじゃなかったの?」

「ひなこを残して帰れる訳ないよ」


小さく苦笑した航平は、あたしに歩み寄ると頭に軽く手を置く。

その手の重みを感じながら、あたしは航平を見上げた。


「怒ってるんじゃなかったの‥?」

「誰が?」

「ずっと不機嫌だったじゃない?」


見上げる先で視線が重なる。

航平は気まずそうに視線を逸らして横を向いた。


「航平?」

「‥‥別に、怒ってた訳じゃないよ」


そう言った航平は、すぐにあたしに向き直る。

少し頬を染めて‥‥気まずそうな表情をした航平は、あたしを真っ直ぐ見つめる。


「ただ‥‥ちょっと、ヤキモチ焼いてただけ」



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